家にいる時間が長いと、本の世界にどっぷりハマることができます。
でも実用書がメインで、「小説はあまり読まない」という方もいますよね。
そんな方でも驚きの体験ができるのが、叙述トリックの秀逸な作品です。
今回は私が夢中になった叙述トリック小説を紹介します!
- 小説をあまり読まない人
- 謎解きが好きな人
- 考察や検証が好きな人
ミステリー小説のトリックの一つ。
読者の先入観や思いこみを利用して、ミスリードを仕掛けるテクニックのことです。
葉桜の季節に君を想うということ
著者の歌野晶午さんは、この作品で第57回日本推理作家協会賞・第4回本格ミステリー大賞を受賞しています。
叙述トリックが秀逸な作品は?という質問に、かならず出てくる作品です。
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。
出典 「BOOK」データベースより
ミステリーの賞を受賞していますし、主人公が探偵ということもあり、推理要素の高い作品となっています。
この作品、読んでいない方に対しては本当に本当に多くを語れません。
注意点をあげるなら、タイトルから想像した雰囲気とはちがうことですね。
文学的かと思いきや、けっこうハードボイルドよりです。
ちなみに私は叙述トリックが好きで、この作品は「叙述トリックがすごい!」という評判を聞いてから読みました。
騙されないぞー!トリック見破ってやるぞー!って気持ちで読み進めていたら…
まぁ〜綺麗に面白いように引っかかりました笑
話のテンポもよく虎ちゃんのキャラクターも親しみやすいので、するすると読んでいけますよ。
イニシエーションラブ
乾くるみさんの代表小説です。
映像化は不可能と言われていましたが、2015年に松田翔太さん・前田敦子さん主演で映画化されています。
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
出典 「BOOK」データベースより
正直、恋愛小説として見たら淡々としていて味気ないです。
叙述トリックがあると知らなければ、途中で投げ出していたかも…。
だけどラスト2行を読み、これまでの違和感に気づいた瞬間の衝撃は「やられた!」の一言に尽きます。
私はめちゃくちゃハマりました。
考察している方のサイトを読みあさるほどにドップリ!
単調と思っても最後まで読んでください。
同じ乾くるみさんのスリープもオススメです。
イニシエーション・ラブよりもストーリーに動きがあり、1回目からハラハラしながら読むことができます。
こちらもラストまで読むと印象がガラッと変わる仕掛けがありますよ!
アヒルと鴨のコインロッカー
数々の話題作を生み出した伊坂幸太郎さんの作品。
こちらも映像化は不可能と言われていましたが、2006年に濱田岳さん主演で映画化されています。
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
出典 「BOOK」データベースより
叙述トリックがウリの作品は、ストーリーよりもトリックに重きが置かれていることが多いです。
途中まではよくわからなくてつまらないと感じてしまう場合もあります。
この「アヒルと鴨のコインロッカー」は、ストーリー自体が非常によいのが特徴です。
叙述トリックも騙し騙されるエンターテインメントではなく、ストーリー展開で必要なもの。
登場人物がどんな気持ちでいたのか、想像すると涙が出てきます。
名前探しの放課後
辻村深月さんの作品で、上下巻で発売されています。
「今から、俺たちの学年の生徒が一人、死ぬ。―自殺、するんだ」「誰が、自殺なんて」「それが―きちんと覚えてないんだ。自殺の詳細」不可思議なタイムスリップで三ヵ月先から戻された依田いつかは、これから起こる“誰か”の自殺を止めるため、同級生の坂崎あすならと“放課後の名前探し”をはじめる―青春ミステリの金字塔。
出典 「BOOK」データベースより
必ず守ってもらいたい注意!
最低でも「ぼくのメジャースプーン」という作品を読んでおいてください。
じゃないと設定、登場人物、ラストの感慨深さが120%変わってしまいます。
余裕がある方は以下の作品も読んでおくと、さらにさらに楽しめます。
- 子どもたちは夜と遊ぶ
- 凍りのくじら
- 樹氷の街(短編集「光待つ場所へ」より)
紹介した作品の中で唯一の学園モノです。
高校生たちが友達と協力しながら、「自殺者を特定して止めよう」と努力する様子は青春そのもの。
この作品単体としてもまとまっていますし、読後感も爽やかでした。
文章量が多いですが、とにかく上巻を読み切ってください。
下巻に入ったら先が気になりすぎて止まれなくなりますから!
まとめ 読み終わったらすぐに読み返したくなる本
叙述トリックは、ネタバレを見ずに自分の直感を頼りに読むのが楽しいもの。
トリックを解けること、引っかかってしまうことは関係ありません。
(私は紹介した作品すべて見抜けませんでしたよ~)
作者さんと会話する感覚で、「ココが怪しい?何か違和感があるなぁ…」と読み進めていってくださいね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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