腸閉塞は腹部の手術の経験があるなら、意識しておく必要のある症状です。
イチバンの予防は便秘をしないこと!
でもその便秘対策で気をつけなくちゃいけないこともあるのです。
私が手術後に苦しんできた腸閉塞と便秘について、対策方法をおつたえしますね。
- 腹部の手術の経験がある人
- 手術前から便秘がちな人
- テレビや本の便秘対策をよく見る人
腸閉塞ってなぁに?という疑問は以前の記事に書いてあります。
そもそも便秘とは?
女性にとって便秘ってよく意識する症状だと思います。
でもその定義って知っていますか?
過剰な便秘対策にならないためにも、一度きちんと知っておきましょう。
定義とかはいいから予防法を早く!という方は、腸閉塞の人の便秘予防に飛んでくださいね。
便秘の定義
便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便の通り道である腸管が狭くなり排便が困難または排便がまれな状態をいいます。通常は1日1-2回の排便がありますが、2-3日に1回の排便でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合は便秘といいません。しかし毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある場合や、排便に苦痛を感じる場合は便秘といえます。
カンタンに説明すると便秘の定義は下のようになります。
- 排便回数ではない
- 排便状態に苦痛を感じないことが重要
- 毎日出ていても苦しいなら便秘
便秘の原因
腸に異常があるかどうかなどで分かれますが、おもな原因は3つです。
- 大腸の運動が低下
- 副交感神経の興奮で大腸が過緊張
- 直腸に便が溜まる
女性は男性よりも便秘が起こりやすいので、さらに注意が必要です。
- 腹筋が弱い
- ホルモンの影響
- ムリなダイエット
- トイレを我慢することが多い
男性よりも女性のほうが腸が長いことが多く、便が長く留まってしまうからとも言われています。
細かい説明を知りたい方は、「くすりと健康の情報局 便秘の症状・原因」も読んでみてください。
一般的な便秘予防
腸を元気にさせる方法には①栄養バランスのとれた規則正しい食事②食物繊維をたっぷり取る③水分を多めに取る④発酵食品を積極的に取る-などがあります。また⑤1日15分以上歩く⑥腹式呼吸などで腹筋を鍛える⑦十分な睡眠⑧おなかを冷やさないーなどもいいようです。
バランスのとれた食事や食物繊維、適度な運動など、あなたも聞いたことがある方法ですよね。
腸に異常のない場合なら、この便秘予防でも効果を発揮します。
しかし手術経験による腸閉塞の場合は、どこかしら腸が癒着(くっつくこと)しています。
腸閉塞の人の便秘予防
腹部の手術を経験している場合は、腸閉塞を意識しなければなりません。
健康な人と同じ便秘対策では悪化してしまう可能性があります。
私がお医者さんから気をつけるように言われていることを紹介していきますね。
- 不溶性食物繊維はひかえめに
- 油も適度にとる
- 運動は散歩と腹部の筋トレ
- 薬にも頼ってとにかく「出す」
不溶性食物繊維はひかえめに
よく言われる食物繊維をとりましょう!の食物繊維は、不溶性食物繊維を指していることが多いです。
食物繊維には2つの種類があります。
- 不溶性食物繊維
- 水溶性食物繊維
【不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のちがい】
不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 |
水に解けない | 水に溶ける |
水分を吸収してふくらむ 便のかさが増える 腸を刺激して排便の促進 |
水分を保つ 腸内細菌のエサ 血糖値やコレステロール上昇をふせぐ |
食感はボソボソ、ザラザラ | 食感はネバネバ、ぬるぬる |
穀類、野菜、豆、きのこなど | 海藻、果実、麦類、里芋など |
腸閉塞のリスクがある場合は、水溶性食物繊維を多めにとりましょう。
コロコロ便になることをふせげますし、腸内環境を整えることにもつながります。
- 市販のこんにゃくは不溶性(成分のグルコマンナンは水溶性)
- 食物繊維なので食べすぎはNG
- 水溶性が多い食品は不溶性も多い
油も適度にとる
女性はダイエットや肌荒れを気にして、オイルや肉類をさける傾向があります。
しかし、つるっとお通じを出すには適度な油が大切です。
とくにオリーブオイルがオススメされていて、1日にスプーン1~2杯を目安にするのがよいそう。
体重や脂肪を増やせることも油をとるメリットです。
お腹周りに脂肪があることで冷えにくく、腸閉塞のリスクを減らすことができますよ!
運動は散歩と腹部の筋トレ
運動として取り入れたいのは散歩と腹部の筋トレです。
散歩をすることで腸の動きを活発にさせることができます。
また腹筋を鍛えれば、お通じを出すための力がつきます。
- 20~30分を目安に
- 階段を使うのもアリ
- リラックスして取り組む
- 腹式呼吸
- 体をひねる
- 腹筋に力を入れて姿勢を正す
- ムリに腹筋をする必要はない
薬にも頼ってとにかく「出す」
日常的にお通じが出ていれば、腸閉塞のリスクは下がります。
お通じを出すためには、早め早めに薬に頼ることも必要です。
とにかく「出す」ことをイチバンに考えましょう。
とはいえ、市販の便秘薬ではクセになってだんだん効果がなくなってしまいます。
腸閉塞を予防するための薬
お通じをしっかり出して詰まらせないことが、腸閉塞の予防には大切です。
出ないままだと便はどんどん硬くなってしまうので、適度に薬にも頼っていきましょう。
実際に私が処方された薬を紹介していきます。
- 食前:食事の20~30分前
- 食間:食事と食事の間・食後2時間くらい
- 食後:食事後の20~30分以内
大建中湯
漢方薬です。(ツムラの100番)
腸を温めて動きを活発にするための薬で、腸閉塞といったら大建中湯と言われるくらいよく使われています。
私もとてもよくお世話になって、何度もピンチを救ってもらいました。
- 食前or食間に飲む
- 1日3回
- 1回2包までOK
- 腹痛時に追加で服用することも
生姜や山椒が含まれているので、ピリッとした味がします。
慣れれば平気ですが、味がニガテという方もいます。
- 味が気になる→水で飲む
- 粉っぽさが気になる→お湯で飲む
ビオフェルミン
CMでも流れている整腸剤です。
感じのとおり「腸を整える」薬なので、下剤のような即効性はありません。
ですが飲み続けていると腸内環境が改善します。
先生によっては、大建中湯のかわりにビオフェルミンを処方される場合もありました。
酸化マグネシウム
便をやわらかくする薬です。
腸の水分を吸収することで便がやわらかくなります。
- 食後に飲む
- 1日3回、1回1錠
- 飲みすぎると緩くなる
- 多めの水で服用する
- 大量のカルシウムとの摂取はNG
便が硬くなると出しにくくなりますよね。
酸化マグネシウムは水分を含んだ適度な便にしてくれます。
いわゆる下剤のような腸自体を動かすものではないので、クセになりにくいのも安心です。
酸化マグネシウムは、飲みすぎると緩くなってお腹を壊すので要注意!
1日3回にこだわらず、体調に合わせて量を変えることが大切です(朝晩・夜だけなど)
センノシド
手術前にも服用した下剤です。
下剤のイメージ通り効果バツグン、というか強制的にお通じが起こります。
- 食後
- 1回2錠
- 多めの水で服用する
センノシドを飲むのは完全な便秘のときだけにしています。(3日以上出ないとき)
夜飲むと翌朝〜夕方までお通じがあるので、予定を入れないようにしましょうね。
力まずに出せるのはよいですが、強制的にお通じを起こしている感覚が強いです。
なるべくは下剤まで行かないで対応したいと思っています。
まとめ 【腸閉塞】便秘にならないために
- 不溶性食物繊維はひかえめに
- 油も適度にとる
- 運動は散歩と腹部の筋トレ
- 薬にも頼ってとにかく「出す」
腹部の手術をするとかならずリスクになってくる腸閉塞。
腸閉塞の人に向けた書籍やレシピも少ないため、手探りで自分の体調と向き合わなくてはいけません。
便秘は腸閉塞に結びつく症状なので、便秘気味なら改善していきましょう。
腸閉塞ならではの便秘対策を知って、あなたの毎日の不安が減ってくれたら嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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