抗がん剤治療について、副作用の話はよく見ますよね。
今回はちょっと視点を変えて。
私が抗がん剤治療を受けてよかったと思う部分を紹介していきます。
もちろん、病気をしないのがイチバン。
でも「抗がん剤治療=壮絶な治療」というイメージを、少しでも減らせたらいいなと思っています。
- 抗がん剤治療をすすめられている人
- 抗がん剤治療=壮絶と思っている人
- 抗がん剤治療に抵抗がある人
抗がん剤治療の内容
私は境界悪性卵巣腫瘍という病気です。
本来は抗がん剤は効きにくいのですが、私の場合は他の細胞にもちょっかいを出すタイプでした。
先生からのすすめで、再発予防として期間を決めて抗がん剤治療をしました。
- DC療法(ドセタキセルとカルボプラチン)
- 投与は3週間に1度
- 初回は入院、残りは通院
- 4クール
再発予防のためなので、腫瘍が小さくなった!みたいな劇的な変化はありません。
今のところは腫瘍マーカー(血液検査)、内診ともに異常なく過ごしています。
抗がん剤治療をしてよかったこと
抗がん剤治療をすれば完治というパターンばかりではありません。
私の場合は再発する可能性を低くしただけで、ゼロにはならないですからね。
ここでお話するよかったこととは、自分やまわりの変化についてです。
読み物感覚で「こんなこともあるんだ!」と読んでもらえたらOKですよ!
旦那の家事スキルアップ
めちゃくちゃありがたい!
旦那はもともと洗濯や掃除は(指示すれば)できたのですが、料理関係はとてもニガテ。
包丁はほとんど握っていませんでした。
- お米が炊ける
- お肉を切って焼ける
- 完璧な買い出し
とくに買いものは、頼む機会が増えたので完璧にできるようになってくれました。
抗がん剤治療でまったく動けない様子を見たことで、旦那も積極的に動いてくれるようになりました。
自分史上最高のつるりん肌
抗がん剤治療の副作用で有名な脱毛。
髪の毛だけじゃなくて、カラダ中の毛が抜けるんです。
当然、顔の産毛もなくなります。
顔そりした後のようなつるっつるのお肌で化粧ノリも最高!
投薬期間が長いと腕や足もつるつるになるみたいです。(私は抜けきる前に終わりました)
ちなみに投薬が終わればしっかり元通り。
卵巣を摘出して女性ホルモンがなくなったせいか、手入れをサボるせいか、むしろ治療前よりたくましい気もします。
落ち込むポイントを知れる
自分が何を重要に感じているのかがよくわかりました。
落ち込んだこと | 味覚障害 食べたいものを食べられない |
平気だったこと | 髪の脱毛 爪の変形 |
女性なので脱毛はツラくなるかと思いましたが、案外カラッとしていました。
坊主を見られるなんて貴重~♪
ドライヤーなくて楽ちん~♪なんて。
髪が抜けるよりも、味覚障害でマトモに食べられない日の方がキツかったです。
自分の中の優先順位は「食」がイチバンなんだと知りました。
落ち込んだり元気がなくなるポイントを知っておくと、病気や気持ちがふさいだときに優先順位をつけて対応できますよ!
病気の人にやさしくなれる
想像力があっても、経験しないとわからないことはたくさんあります。
抗がん剤治療をしたことで、病気の人に対してやさしくなれるように。
自分が治療していてとくに怖かったのが、免疫力が落ちることによる感染症でした。
夏場でウイルスの少ない時期でしたが、手洗いうがいマスクは欠かせませんでした。
もしかしたら自分の行動で誰かを病気にしてしまうかもしれない。
身をもって感じました。
- 咳やくしゃみは隠す
- マスクをする
- 必要以上にモノをさわらない
電車で目の前にいる人は元気でも、その家族は抗がん剤治療をしているかもしれない。
そう思うことで、今まで以上に配慮できるようになりました。
抗がん剤治療をするか悩んだら
抗がん剤治療をすすめられたら、不安になりますよね。
副作用がキツイ、仕事との両立がツライといった話もよくあります。
私が抗がん剤治療を受けようと考えた理由や、実際に受けてみて思ったことを紹介します。
抗がん剤治療は標準治療
病気の治療には「標準治療」が決められています。
すでに効果や副作用が実証されていて、多くの人に成果が出やすいとされている治療です。
標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。
一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているか注意する必要があります。なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。
とくにがんの治療には、3つの標準治療があります。
- 外科治療(手術など)
- 化学療法(抗がん剤など)
- 放射線治療
よく耳にする治療ばかりですよね。
まずはこの標準医療からスタートするのがよいと思っています。
- 費用が安い(保険がきく)
- 治療の効果が期待できる
- 転院しても同じ治療が受けられる
日本の保険制度では、自己負担は最大3割ですみます。
また自己負担を超えた金額を払い戻してくれる高額療養費、医療費が高額になりそうな場合の限度額適用認定の制度もあります。
先進医療の技術料は全額自己負担ですし、民間療法はそもそも医療ではないので価格が自由に設定されています。
標準治療は実験やデータに基づいて定められています。
逆に言えば、科学的根拠がないと標準治療にはできないのです。
まずは多くの人に当てはまる治療法から試してみる方が、自分にも効果が出る可能性は高いですよ。
先進医療は実施している病院が限られています。
引っ越しで通院が難しくなったり、体力的に遠方への通院がツラくなる場合もあります。
標準治療なら基本的にはどこの病院でも受けることが可能です。(手術内容は設備やお医者さんの経験によって変わることもあります)
抗がん剤や放射線治療はよくない。
「標準=普通」だから効果が薄そう。
こういった考えで標準治療をせずに進行してしまい、重症化してしまうケースも。
抗がん剤を使う理由を知る
腫瘍のある部位やサイズ、手術の術式によって変わってきます。
- 手術前に腫瘍を小さくする
- 手術とあわせて腫瘍を消す
- 予防として使い再発を遅らせる
私の場合は「予防」でした。
なので投薬を始めたときと4クール終わったときで、目に見える腫瘍の変化はありません。
それでも再発を少しでも減らしたり遅らせる可能性があるならやってみようと思いました。
あなたの場合はどれに当てはまるのか、お医者さんにしっかり聞いてみましょう。
やってもやらなくても後悔する
やった後悔→副作用がツライ、副作用の後遺症、再発する
やらない後悔→やればよかったかもという不安、再発する
やってもやらなくても、再発の可能性をゼロにはできません。
どちらを選んでも後悔するタイミングはあります。
私の場合は、「やらずにいてすぐ再発したら絶対に後悔する」と思って踏み出しました。
もし抗がん剤治療をしたのにすぐ再発したとしたら、それはもう仕方ないと思えるような気がしたんです。
人によって大きく考え方はちがいます。
治療する自分と治療しない自分。どちらかしか選べません。
後悔するタイミングはかならずあるので、それが少しでも小さい方を選んでくださいね。
疑問があればセカンドオピニオン
セカンドオピニオンという方法があります。
かかっている病院以外の病院で、治療方針や病状の見立てを聞くものです。
- ほかの治療がないか聞ける
- 病気について知識が深まる
- 主治医の方針が正しいか知れる
- ちがう先生だから客観的に聞ける
納得して治療にのぞむことがイチバン大切です。
別の言葉で説明してもらえたり、同じ治療の提案をされて主治医の方針に納得できたりします。
ただし注意点を理解しておきましょう。
- 意見を聞くだけ
- 転院したければ別途手続き
- 数多く病院を回る必要はない
オピニオンは訳すと「意見」です。
セカンドオピニオンはあくまでも別の人から意見を聞けるシステムなんです。
もしセカンドオピニオン先が気に入ったときは、転院するための手続きが必要になります。
また、多くの病院を回るのはやめましょう。
お医者さんもガイドラインに沿った治療方針を話しますから、セカンドオピニオンをしても画期的な名案が出ることは少ないです。
それなのに、自分の求めた治療法を言ってくれる病院を探してハシゴしてしまう方も。
治療が遅れたり、怪しげな民間療法にハマる場合があります。
セカンドオピニオンは、病気への理解を深めるために、ほかの病院の意見も聞いてみるものだと思ってください。
まとめ 抗がん剤治療をしてよかったこと
- 旦那の家事スキルアップ
- 自分史上最高のつるりん肌
- 落ち込むポイントを知れる
- 病気の人にやさしくなれる
病気が治る以外にも、抗がん剤治療をしてよかったことはたくさんあります。
この記事でよかったこともあるんだって知ってもらえたら
大切なのは「治療を受けても受けなくても自分の判断で決めること」
抗がん剤治療を受けようか迷っている人の手助けになれたら嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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