独身or子どものいる家庭がほとんどで、結婚して子どものいない夫婦は珍しいです。
少子化と言われるようになっても、それは独身の人が増えただけ。
ツラい体験をしたり、自分で自分を責めてしまうときもありますよね。
面と向かって相談はできませんが、子なしの人には本が力になってくれますよ。
読んで心が軽くなったり、視野を広く持てた本を紹介していきますね。
- 子なしを受け入れられない人
- ほかの人の気持ちを知りたい人
- 気持ちの切り替え方を知りたい人
誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方
著者のくどうみやこさんは、子どものいない女性を応援する「マダネプロジェクト」主宰やメディア出演をしています。
ご自身も子どもがいないため、社会のロールモデルがいないことに悩んだそうです。
子どものいない女性へのインタビュー、不妊研究の専門家などの見解など、幅広い視点から「子なし」の人生を考えられる本です。
- 気持ちに共感できる
- 様々な「子どもがいない」を知れる
- 専門家の意見で客観的になれる
自分に子どもができないと知ったときの衝撃、子どもができないかも…という不安、子どもを産んだ方がいいのか?というモヤモヤ。
経験した人は昨日のことのように思い出せるのではないでしょうか。
だけど上手に気持ちを表現できずにいる場合も多いと思います。
くどうさん自身が結婚したけれど子どもがいない方、同じ境遇の言葉は胸に刺さりますよ。
結婚したけれど子どもがいない女性は、子どもがいない人生について話せる相手がとても少ないです。
そもそも絶対数が少ないし、カンタンに話す内容でもないですからね。
自分ばっかり…と卑屈になったり、折り合いのつけ方を知りたいときも。
本の中では13人の女性と、2人の男性のインタビューを読むことができます。
子どもがいない理由も様々です。
30~60代の方々の意見は、まさに今いっしょに悩んでいる姿や人生の先輩からのエール。
この本のよいところは、子どものいない女性同士の慰め合いにならないことです。
- 向けられる言葉や偏見のかわし方
- 母親になった友人との会話のズレ
- 悲しい感情の抜け出し方
知っておくとちょっとだけ強くなれたり、しなやかに考えられるヒントがたくさん。
子なしについて気軽に話せる相手は少ないからこそ、前向きになれる方法はたくさん持っていたいですね!
夫婦幻想 子あり、子なし、子の成長後
男性の晩婚化や夫婦のあり方の取材を続けているジャーナリスト・奥田祥子さんによる著書です。
複数の夫婦へ長期間の取材を通して見えてきた、夫婦が抱える問題について書かれています。
- めずらしい長期の取材
- 自分とはちがう立場の苦労を知れる
- 会話の大切さを実感する
こういった夫婦のあり方について、単発のアンケートはよくあります。
でもこの著者の奥田さんは、20年近くにわたって夫婦へのインタビューを行ってきました。
長年の信頼があるからこそ聞ける本音や、夫婦の双方の言い分などもつづられています。
起こった後の体験談じゃなくて、リアルタイムの心情や切羽詰まった様子を読めるのが新しいです。
子どもがいない悩みばかりに目が行ってしまいがちで、子どもがいれば幸せという考えになりやすいです。
だけど子どもがいるからこその苦労やすれ違いもあるんです。
同じように、私は妻・嫁・女性の立場なので、男性の気持ちは想像しかできません。
女性はたくさんの役割を要求されているように感じますよね。
でも、男性も古い男性像に縛られてもがいていることがわかります。
継続インタビューの形式なので、結婚してすぐや子どもが生まれた直後の幸せ絶頂からスタート。
それが年月が経つにつれて、少しづつすれ違っていく様子を見ていきます。
夫婦それぞれの言い分や本音が切実で、本当に苦しいです。
人の家庭を客観的に見て感じるのが、「会話」が何より大切だということ。
夫婦だからこそ、「わかってもらいたい・わかってくれる」と思わずにしっかり話さないといけませんね。
産まないことは「逃げ」ですか?
著者の吉田潮さんは、ライター兼絵描きがメインの方で、テレビのコメンテーターなどもされています。
ご自身の不妊治療の体験や夫婦の生活について、パワフルな文章でつづっています。
- パワフルで面白い文章
- 子どもをに対する正直な葛藤
- 悲しさや寂しさを言葉にしてくれる
ライターさんということもあり、スルスルと読める文章です。
悲観的になってしまいやすい「子なし」の本だけど、クスっと笑えたり吉田さんの人生にウヒャーと驚いたり。
純粋にエッセイとして笑って読めますよ!
子どもを持つことを頭で冷静に考えると、リスクが大きいですよね。
お金もかかる、病気や事故の可能性もある、少子化の時代で不安…。
しかも自分だけのチャレンジとちがって、命を生み出すから「やっぱりやめた!」はできません。
でも「子どもを産む=幸せ・正義」の世の中なので、そういう葛藤はおおっぴらに語れませんよね。
妊娠したらいいなと思いつつ、出来なかったことにちょっとホッとする気持ち。
子どもをもつ「覚悟」の葛藤を正直に語ってくれていて、頭でっかちな私はすごく共感しました。
私の感覚ですが、子どもができないツラさって、何がツラいか頭で認識するより先に、心が反応してしまう気がしていました。
「傷ついた」という気持ちだけで思考停止したり、傷つきすぎないように心のシャッターを閉めていたり。
吉田さんは本の中で、子どもが産めない「不全感」を何度も語っています。
表現できずにいた悲しさや寂しさを、かわりに上手に形にしてもらったように感じました。
自分の中の黒い感情を、そのまま言葉にしているようなイメージです。
不妊治療、やめました。〜ふたり暮らしを決めた日〜
漫画やイラストを手掛ける堀田あきおさん・かよさん夫婦の、結婚直後の闘病から不妊治療をやめるまでのコミックエッセイです。
描かれるのは1991年~なので、現在の不妊治療の内容やクリニックの姿勢とはちがう点にご注意を。
- コミックなので読みやすい
- 男女両方の気持ちがわかる
- 夫婦の絆を感じられる
ふだん本を読まない人によっては、字が大きくても挿絵が入っていても抵抗があると思います。
この本は、かよさんのコラム(4回)が半ページずつあるだけで、あとは全部マンガです。
1時間もあれば読めてしまう気軽さなのに、きちんと夫婦の気持ちがつたわってきますよ。
不妊治療をテーマにすると、どうしても女性側の扱いが大きくなりますよね。
この本では、あきおさんの視点や感情もたくさん描かれます。
- 検査にモヤモヤする
- 泣きながら病院へ駆けつける
- 奥さんのノートの落書きに切なくなる
- 帰り道にぽろぽろと涙をこぼす
自分の旦那もこんな風に思っていたのかな、と思ったり。
男性って私たち女性が思っているよりも、優しいし弱い部分を見せずに頑張ってくれていると気づけますよ。
また、かよさんのコラムは「今だから思う」という書き方だったのがよかったです。
不妊治療や子どもがいないことに悩んでいる人にとって、「子どもがいなくても未来は明るい」と思えるのはとっても大切。
短く軽快な文章の中に、「明るい」がたくさん詰め込まれていましたよ!
家族=親子と思う人はたくさんいますが、家族の最小単位は「夫婦」です。
最後にお互いを理解して、支え合うのは夫婦なんだと感じる本でした。
子どもがいないと世間からはみ出しがちです。
だけど夫婦で仲良く暮らせれば、世間の声なんて関係ないんだなと思えるようになりますよ!
まとめ 子なしについて書かれている本
結婚して子どものいない夫婦は、少子化の時代でも少数派です。
だからこそわかってもらえなかったり、寂しい思いをするときもあります。
本を読んでみると、自分ではうまく表現できなかったモヤモヤが言葉になっているかもしれませんよ。
子どもがいない分、時間はたくさんあります。
重く考えずに、ランチの相手と話をする感覚で、いろんな人の言葉にふれてみるのもよいものですよ!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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